賃貸契約時に提示される「鍵交換費用は借主負担」という項目。国土交通省のガイドラインでは大家さん負担が望ましいとされているのに、なぜ支払わなければならないのか、と疑問に思う方もいるでしょう。では、この鍵交換費用を断ったり、交渉したりすることは可能なのでしょうか。結論から言うと、契約書に「鍵交換費用は借主負担」という特約が明記されており、その内容について宅地建物取引士から重要事項説明を受けている場合、その支払いを拒否することは極めて困難です。賃貸借契約は、貸主と借主の双方の合意に基づいて成立します。あなたがその契約書に署名・捺印した時点で、特約の内容についても同意したと見なされるからです。しかし、交渉の余地が全くないわけではありません。交渉が成功する可能性があるとすれば、それは契約を結ぶ前の段階です。例えば、物件の内見時や申し込みの段階で、「鍵交換費用を大家さん負担にしていただけるのであれば、この物件に決めたいのですが」というように、入居の意思を伝えつつ交渉してみる価値はあります。特に、長期間空室が続いている物件や、不動産の閑散期(4月~8月頃)であれば、大家さん側も入居者を確保するために、交渉に応じてくれる可能性が少し高まるかもしれません。ただし、注意点として、この交渉はあくまで「お願い」ベースであり、強硬な態度で要求するのは逆効果です。また、入居後に「やっぱり払いたくない」と主張するのは、契約違反となり、大家さんや管理会社との信頼関係を損なうだけなので、絶対にやめましょう。もし、契約時に鍵交換に関する説明が一切なかった、あるいは契約書に記載がないにもかかわらず、後から請求されたという場合は、支払う義務はありません。その際は、毅然とした態度で支払いを拒否し、地域の消費生活センターなどに相談しましょう。基本的には支払う義務がある費用ですが、契約前のタイミングであれば、交渉のテーブルにつくことは可能かもしれない、と覚えておくと良いでしょう。
賃貸の鍵交換費用は断れる?交渉の可否と注意点