徘徊防止対策として、玄関や勝手口などの鍵を、外から施錠することは、有効な手段の一つです。しかし、メリットだけでなく、デメリットも存在します。今回は、徘徊防止に外から鍵をかけることのメリット・デメリットについて解説します。まず、メリットとしては、「徘徊を物理的に防ぐことができる」という点が挙げられます。外から鍵をかけることで、高齢者や認知症の方が、一人で外出してしまうのを防ぐことができます。これにより、事故や行方不明などのリスクを減らすことができます。また、「家族の精神的な負担を軽減できる」というメリットもあります。徘徊の心配がなくなることで、家族は安心して外出したり、自分の時間を過ごしたりすることができます。さらに、「近隣住民への迷惑を防止できる」というメリットもあります。徘徊によって、近隣住民に迷惑をかけたり、トラブルに発展したりするケースがあります。外から鍵をかけることで、これらのリスクを減らすことができます。一方、デメリットとしては、「高齢者や認知症の方の尊厳を傷つける可能性がある」という点が挙げられます。外から鍵をかけられることは、行動の自由を制限されることになり、精神的なストレスを感じる可能性があります。また、「緊急時の脱出が困難になる」というデメリットもあります。火災や地震などの緊急時に、外から鍵がかかっていると、避難が遅れてしまう可能性があります。さらに、「虐待とみなされる可能性がある」という点にも注意が必要です。外から鍵をかけることは、身体拘束にあたり、場合によっては虐待とみなされる可能性があります。外から鍵をかける場合は、必ず、本人や家族、関係機関(地域包括支援センターなど)とよく話し合い、同意を得た上で行うようにしましょう。徘徊防止に外から鍵をかけることは、有効な手段の一つですが、メリットとデメリットを十分に理解し、慎重に検討する必要があります。また、鍵をかけるだけでなく、他の対策と組み合わせることで、より効果を高めることができます。
徘徊防止に外から鍵をかけることのメリット・デメリット