徘徊防止対策は、鍵の交換や取り付けだけではありません。鍵以外の対策を組み合わせることで、より効果を高めることができます。今回は、徘徊防止対策として、鍵以外にもできることについて解説します。まず、「玄関や勝手口にセンサーを設置する」という方法があります。センサーは、人が近づくと感知し、チャイムやアラーム音で知らせてくれます。これにより、家族は、高齢者や認知症の方が外出 しようとしていることに、いち早く気づくことができます。センサーには、人感センサー、ドアセンサー、窓センサーなど、様々な種類があります。次に、「GPS機能付きのアイテムを活用する」という方法も効果的です。GPS機能付きの靴やペンダント、腕時計などを身につけてもらうことで、高齢者や認知症の方がどこにいるのかを、スマートフォンやパソコンで確認することができます。万が一、徘徊してしまった場合でも、早期発見に繋がります。また、「服装や持ち物に、名前や連絡先を記載しておく」ことも大切です。万が一、徘徊してしまった場合に、保護された際に、身元がすぐに分かるようにするためです。名前や連絡先は、衣服の内側や、持ち物の目立たない場所に記載しておきましょう。さらに、「近隣住民や関係機関に協力を求める」ことも重要です。日頃から、近隣住民や民生委員、地域包括支援センターなどに、高齢者や認知症の方のことを伝えておき、協力を求めるようにしましょう。徘徊しているところを見かけたら、声をかけてもらったり、家族に連絡してもらったりするなど、協力体制を築いておくことが大切です。そして、「生活環境を見直す」ことも、徘徊防止に繋がります。例えば、玄関に鍵をかけ忘れないように、オートロック式の鍵に交換したり、玄関に鏡を置いて、外出前に自分の姿を確認できるようにしたりするなどの工夫も有効です。また、本人の居場所をわかりやすくするために、部屋の整理整頓をしたり、目印になるものを置いたりすることも効果的です。徘徊防止対策は、一つの方法だけでなく、複数の対策を組み合わせることで、より効果を高めることができます。また、高齢者や認知症の方の状況に合わせて、対策を柔軟に見直すことも大切です。