高齢者や認知症の方の徘徊は、家族にとって大きな心配事です。徘徊を防ぐための対策の一つとして、玄関や勝手口などの鍵を、外から施錠できるタイプのものに交換することが考えられます。今回は、徘徊防止に有効な、外から施錠できる鍵の種類と選び方について解説します。まず、外から施錠できる鍵の種類としては、大きく分けて「両面シリンダー錠」「サムターン回し対策錠」「補助錠」の3つがあります。「両面シリンダー錠」は、内側からも外側からも、鍵を使って施錠・解錠するタイプの錠前です。通常のシリンダー錠は、内側からはサムターン(つまみ)を回して施錠・解錠しますが、両面シリンダー錠は、内側にも鍵穴があるため、鍵がないと内側からも開けられません。徘徊防止には、最も効果的な鍵と言えるでしょう。「サムターン回し対策錠」は、サムターン(つまみ)を回して解錠するタイプの錠前ですが、特殊な構造により、外側から工具などを使ってサムターンを回すことができないようになっています。サムターン回しは、空き巣などの侵入窃盗犯が使う手口の一つですが、この対策錠を使用することで、徘徊防止にも効果があります。「補助錠」は、既存の鍵に加えて、もう一つ鍵を取り付けることで、防犯性を高めるものです。補助錠には、様々な種類がありますが、外側から施錠できるタイプのものを選びましょう。例えば、面付けタイプの補助錠や、窓用の補助錠をドアに転用する方法などがあります。鍵を選ぶ際には、防犯性だけでなく、使いやすさも考慮しましょう。高齢者や認知症の方が使用する場合は、鍵の開け閉めがしやすい、シンプルな構造のものを選ぶと良いでしょう。また、鍵の取り付けは、専門的な知識や技術が必要となる場合があります。特に、両面シリンダー錠やサムターン回し対策錠の取り付けは、DIYでは難しい場合があるため、鍵の専門業者に依頼することをおすすめします。徘徊防止対策は、鍵の交換だけでなく、他の対策と組み合わせることで、より効果を高めることができます。例えば、玄関にセンサーを設置したり、GPS機能付きの靴やペンダントを身につけたりするなどの対策も検討しましょう。
徘徊防止に!外から施錠できる鍵の種類と選び方