今回は、指紋認証鍵の仕組みと、メリット・デメリットについて解説します。指紋認証鍵は、主に「センサー」「制御部」「錠前」の3つの部分で構成されています。「センサー」は、指紋を読み取る部分です。指紋センサーには、光学式、静電容量式、超音波式など、様々な種類があります。光学式は、指紋の凹凸を光で読み取る方式です。静電容量式は、指紋の凹凸による静電容量の変化を読み取る方式です。超音波式は、超音波を使って指紋の凹凸を読み取る方式です。「制御部」は、センサーが読み取った指紋情報を処理し、登録された指紋情報と照合する部分です。照合の結果、指紋が一致すれば、錠前に解錠の指示を出します。「錠前」は、ドアに取り付けられ、実際に扉を施錠・解錠する部分です。錠前には、モーターやソレノイド(電磁石)などの駆動部品が内蔵されており、制御部からの指示を受けて、デッドボルト(かんぬき)を出し入れします。指紋認証鍵のメリットとしては、まず「高い防犯性」が挙げられます。指紋は、一人ひとり異なるため、複製が非常に困難です。ピッキングなどの不正解錠にも強いため、空き巣などの侵入窃盗犯から家を守る効果が期待できます。次に、「利便性の高さ」も大きなメリットです。鍵を持ち歩く必要がないため、鍵を紛失する心配がありません。また、暗証番号を覚える必要もないため、高齢者や子どもでも簡単に操作できます。さらに、「鍵の共有が簡単」な点もメリットです。指紋認証鍵の中には、複数の指紋を登録できるものがあります。家族や同居人など、複数人で鍵を共有する場合に便利です。一方、指紋認証鍵のデメリットとしては、「導入コストが高い」ことが挙げられます。指紋認証鍵は、従来の鍵に比べて、本体価格が高く、設置工事にも費用がかかります。また、「指の状態によって認証精度が左右される」こともデメリットです。指が乾燥していたり、汚れていたり、怪我をしていたりすると、指紋が正しく読み取れず、解錠できない場合があります。さらに、「停電時に使用できなくなる可能性がある」こともデメリットです。多くの指紋認証鍵は、停電時でも開けられるように、非常用の鍵やバッテリーを備えていますが、万が一の事態に備えて、対策を講じておく必要があります。
指紋認証鍵とは?仕組みとメリット・デメリット