ドアノブを長く安全に使用するためには、「ドアノブ修理」が必要な状態になってから対処するだけでなく、日頃からの「メンテナンス」を行うことが非常に大切です。定期的なお手入れを行うことで、不具合の発生を未然に防ぎ、ドアノブの寿命を延ばすことができます。ここでは、ドアノブのメンテナンス方法について解説します。ドアノブのメンテナンスで最も重要かつ簡単に行えるのは、「可動部分への注油」です。ドアノブを回す際に動きが重い、あるいはラッチボルトやデッドボルトの出入りがスムーズでない場合、潤滑不足が原因である可能性が高いです。注油する箇所は、主にドアノブの根元(回転部分)、ラッチボルトの先端と根元、デッドボルトの先端と根元など、金属同士が擦れ合う可動部分です。これらの箇所に、市販のシリコンスプレーやミシン油などの油分を含む潤滑剤を少量吹き付けます。ただし、鍵穴に油分を含む潤滑剤を使用するのは絶対に避けてください。油分にホコリが付着して鍵穴内部で固まり、かえって深刻な故障の原因となります。鍵穴には必ず鍵穴専用の潤滑剤(パウダー状のもの)を使用してください。注油後は、ドアノブを何度か回したり、ドアを開閉したりして、潤滑剤を内部に馴染ませます。余分な油分が表面に付着した場合は、乾いた布で拭き取っておきましょう。注油は、半年に一度から一年に一度程度行うのが目安です。ドアノブの動きが悪くなったと感じた時に行うのも良いでしょう。 次に、「取り付けネジの緩みチェックと締め直し」です。ドアノブ本体をドアに固定しているネジは、日常的な使用によって徐々に緩んできます。定期的にネジが緩んでいないか確認し、もし緩んでいればプラスドライバーなどで締め直しましょう。ドアノブの種類によってネジの位置や形状は異なります。締めすぎると部品を傷める可能性があるため、程よい力で締め付けることが重要です。また、「ドア枠側の受け金具(ストライク)の清掃」もメンテナンスの一環です。ストライクには、ラッチボルトやデッドボルトが出入りする穴が開いていますが、ここにホコリやゴミが溜まると、ボルトの動きを妨げ、ドアの閉まりが悪くなる原因となります。溜まったゴミをブラシなどで取り除き、必要であれば潤滑剤を少量塗布しておきましょう。